VLANグループでは「コストパフォーマンスの良いEthernetを並列計算に使う」というのがメインテーマです.家庭内や企業内のLANの大半で使われている,きっとみんなも普段使っているEthernetは,構造が複雑ではないこと・量産効果などにより価格対性能比がとても高いのです.絶対性能では専用の高価なネットワークに敵わないところがありますが,値段が桁単位で違うこともあり,並列計算の世界でも需要は高まりつつあります.実際にスパコンのランキング (TOP500) を眺めていると,年々Ethernetを用いたシステムは増えてきています.
Ethernetは,実はレイヤ2 (データリンク層) のレベルではループ構造を含むことができません.理由や実際の挙動は「スパニングツリープロトコル」で検索してみると色々な資料が見つかるのでそちらを見てください.仕様通りにツリー構造をとった場合は,ルート付近のノードに大きなトラフィックが集中し,通信性能のボトルネックになります.並列計算をしようと考えたときにそれではちょっと困るので,VLAN (IEEE802.1q) をうまく使ってなんとかしよう,というのが現在のメインテーマです。
一般的なふんが研のイメージとは違うかもしれませんが,VLANグループではハードウェアは既存のものを使っているため,ハードウェア設計ではなくて,今のところ理論とソフトウェアが主です。
実際にPCクラスタ上で評価をとることができます.
PC8台のクラスタがあります.現物を見たい方は26-107へ.
PC32台のクラスタを使用可能です.他にもスイッチがたくさんあったり,詳細な測定用のGNET-1 (何百万かするらしい) が置いてあったりして,結構すごいです.現物は学内ではなく,神保町の近くのNIIにありますが,リモートから「PCの再起動」「スイッチの電源On/Off」が可能で,基本的に現地に行かなくても作業できます.