項目は一応以下の順であるが,
SIMDマシン,専用マシン,データフローマシンについては,
必ずしも順番に従っていない.
(1)マシン名,(2)開発者,(3)分類,(4)システムサイズ,(5)要素プロセッサの構成,
(6)結合法,(7)開発年,(8)その他である.
このうち(7)はかなり問題がある.マシンは開発を開始してから稼働に至り,さらに
商用化するには, それぞれ数年を要する場合がある.したがってあるマシンが,いつ
開発されたかを正確に記述することは, 不可能に近い.しかし敢えてこの数字を挙げたの
は,かなり昔のマシンまで調べたかったため,
大体いつごろ開発されたかが, かなり重要だと考えたためである.
したがってこの数字は, プラス
マイナス2年くらいの誤差を含んでいることを申し添えたい.また,システムサイズに
ついても実際に, そのサイズで稼働していないマシンもある.
データフローマシン(DFM)に関しては,本書で触れなかった関係もあり,
サーベイも著名なものにとどめた.
参考文献が引用されていないマシンは,
ICOTによる調査報告書[235]を元にしている.
マシン名 | 開発者 | 分類 | システムサイズ | 要素プロセッサの構成 | 結合法 | 開発年 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AAP-2 | NTT | SIMD | 64K | 不明 | 2次元格子状 | 1989年 | AAP-1の後継機で1チップ上に4×4のアレイを実装し, 全体で128×128のア レイを実現. 画像処理等に威力を発揮[275]. |
ADENART | 松下電器産業 | NORA | 256 | 20MIPSの専用プロセッサ | ハイパクロス | 1989年 | 最大5.12GFLOPS ADINAを商用化したシステム[238] |
ADINA/ADENA | 京都大学 | NORA | 256 | 3850 | ハイパクロス | 1980年 | ADI法に特化したシステム. ADENA-IIを経てADENARTで商用化された [196] |
Alewife | MIT | CC-NUMA | 512 | Sparcle (Sparcを基にしたプロセッサ) | 2次元格子 | 1995年現在32PUのプロトタイプが稼働中 | リミテッドポインタ方式に基づくCC-NUMAの実験機 [61]. |
A-NET | 宇都宮大 | NORA | 16 | 専用プロセッサ | 静的可変構造 | 1995年 | 並列オブジェクト指向計算モデルに基づくトータルアーキテクチャ [237]. |
AP1000 | 富士通 | NORA | 16〜1024ノード | SPARC+FPU | 2次元トーラス+リング+階層バス | 1990年 | 科学技術用大規模並列計算機, 最大8.5GFLOPS 文献 [236] |
AP1000+ | 富士通 | NORA | 16〜1024ノード | SuperSPARC+ | 2次元トーラス+リング+階層バス | 1990年 | 科学技術用大規模並列計算機, 最大51.2GFLOPS, AP1000の後継機種, 共 有メモリの実現, メッセージハンドリングが工夫されている. |
AP3000 | 富士通 | NORA | 4〜1024 | Ultra SPARC | AP-Net | 1996年 | AP1000, 1000+とは異なり, 200MB/sのAP-Net(詳細不明)によって結合され たクラスタ構成をとる. 96/3/7 発表 Ultra SPARC-IIを搭載した P250, P300発表(97/10/7) |
ATTEMPT-0 | 慶應大 | バス結合型UMA | 20 | MC68030+MC68882 | Futurebus | 1989年 | ライトスルースヌープキャッシュに加え, 交信と同期を統合した Synchronizerを持つテストベット[20]. |
Balance 8000 | Sequent | バス結合型UMA | 最大12 | NS32032+32081 | 専用バス | 1984年 | 初期のバス結合型マルチプロセッサの代表, Balance2100ではプロセッサ をNS32332にグレードアップし, バスを強化してプロセッサ数も最大30まで大 きくした.ライトスルーのスヌープキャッシュを持つ [22]. |
BSP | Burroughs Corp. | SIMD | 16 | 専用プロセッサ | クロスバ | 1980年 | 16の演算素子に対しそれより大きい17個のメモリモジュールを持ち, フル クロスバで結合されている, 文献 [145] |
Butterfly | BBN | スイッチ結合型UMA | 256 | MC68020+MC68881 | Omega網 | 1987年 | 初期のスイッチ結合型のUMAで最も成功した商用機, ホームメモリ構成 [147] |
C90 | Cray Research Inc. | ??? | 最大16 | 専用プロセッサ | 不明 | 199?年 | Y-MPの後継機 |
CAP256 | 富士通 | NORA | 256 | i80186+i8087 | 2次元メッシュが基本だが, 6チャネルを持つCAP-VLSIにより様々な形態 を取ることができる. | 1987年 | 強力な映像化装置を持ち, グラフィックスに威力を発揮した [239]. AP1000のもととなった. |
Cenju | NEC | NUMA | 64 | 68020+68882+WTL1167 | 多段接続網でPE間が直接接続される. | 1988年 | キャッシングはハードウェアではできない[240]. |
Cenju-2 | NEC | NUMA | 256 | VR3000+VR3010 | 多段接続網でPE間が直接接続される. | 1992年 | 最大6.4GFLOPS, 回路シミュレーションに威力を発揮, Cenjuの後継機種. |
Cenju-3 | NEC | NUMA | 256 | R4400SC | 多段接続網でPE間が直接接続される [241] . | 1994年 | 最大12.8GFLOPS, Cenju-2の後継機種. |
Cenju-4 | NEC | NUMA | 1024 | R10000 | 多段接続網でPE間が直接接続される(200MB/s) | 1997年 | 最大400GFLOPS, Cenju-3の後継機種.最大メモリ容量 512GB. 1997年7月28日発表 |
Cedar | Illinois大 | スイッチ結合型UMA | 32 | ??? | Omega網 | 1991年 | マクロデータフロー実行用. FX/8 4セットの各プロセッサを32 × 32の Omega網で結合. 文献 [150]. |
クラスタ方式マルチプロセッサシステム | 東北大 | NUMA | 32 | Z80 | 階層バス | 1978年 | 8プロセッサからなるクラスタ4つからなる. SIMD動作可能 [243]. |
CM-1/2 | MIT/Thinking Machine Corp. | SIMD | 64K | 専用プロセッサ(32個1チップ) | ハイパーキューブ | 1986年 | 1bitの単純なノードを32個1チップに実装し, ハイパーキューブ結合を行なった. データパラレルの概念を提唱し, 一時代を築いた.文献[242] |
CM-5 | Thinking Machine Corp. | NORA | 1023 | SPARC+FPU | 4進木を基本とする FatTreeで結合 | 1991年 | 最大128GFLOPS, 米国の大学を中心に広く用いられたが Thinking Machine 社の倒産で姿を消しつつある.文献[244] |
CM* | CMU | NUMA | 50 | PDP-11 | 階層バス | 1980年 | 5つのクラスタを星状結合した NUMA, 各 PU は直接すべてのメモリを参照 でき, 結合装置内でアドレス変換・ルーティングをする機構を持つ. 文献 [257] |
C.mmp | CMU | スイッチ結合型UMA | 16 | PDP-11 | クロスバ | 1975年 | 16台の PDP11と共有メモリをクロスバスイッチで結合, 文献 [258] |
Cosmic Cube | カリフォルニア工科大 | NORA | 64 | i8086+i8087 | ハイパーキューブ | 1984年 | ハイパーキューブマシンの元祖, 文献[254] |
Coral 68K | 徳島大 | NORA | 63 | ??? | 2進木 | 1989年 | 2進木であるが, 同じ階層の隣接する2つのPEとも結合されて, データを交換できるように工夫されている, 文献[261]. |
CP-PACS | 筑波大 | NORA | 2048 | PA-RISC改 | ハイパクロスバ | 1995年 | スライドベクタウインドウを持つ疑似ベクタプロセッサをPA-RISCに搭載, PACS, QCD-PAXの流れを受け継ぎ, さらに汎用化を目指した. 文献 [262] 1995年に1024台、1996年に2048台稼働 |
CRAY3 | CRAY Computer Corp. | スイッチ結合型UMA | 最大16 | 総GaAsの専用プロセッサ | ??? | 1994年 | 最大16GFLOPS, 総GaAsで, かつ実装技術により高集積化を図ったスーパ コンピュータ. CRAY-2の後継機種. |
CS2 | Meiko | NORA | 最大64 | SuperSPARC+ベクトルプロセッサ | ??? | 1992年 | 8方向クロスバスイッチを基本とした多段結合網, ネッ トワークを2重化している. 文献[250] |
CS6400 | CRAY Reserach Superserver | CC-NUMA | 64 | SuperSPARC | 階層バス | 1994年 | データベース, トランザクション処理等ビジネス用を考慮し, 耐故障性に 配慮. |
DADO/DADO2 | Columbia Univ. | NORA | 最大1023 | Intel 8751 | 二進木構造 | 1984年 | プロダクションシステムの高速実行用, 文献 |
DASH | Stanford大 | CC-NUMA | 16 | R3000 | 2次元格子, 4PUのクラスタ(SGI Powerstation)を4つ格子状に接続 | 1992年 | ディレクトリはフルマップ, リリースコンティステンシを実現, 文献 [24]. |
Elexsi 6400 | Elexsi | バス結合型UMA | 最大12 | 専用プロセッサ | GIGA-Bus | 1982年 | プロセッサをGIGA-Bus という高速バスで結合している [22]. |
EL90 | Cray Research Inc. | ??? | 最大8 | 専用プロセッサ | 1993年 | Y-MP ELの後継機 | |
EM-4 | 電総研 | DFM | 80 | 専用プロセッサ | 要素プロセッサを循環オメガ網で結合 | 1990年 | 文献[279] |
ETA10 | CDC/ETA | UMA | 8 | ??? | 集中結合 | 1987年 | スーパコンピュータ8台を共有メモリに対して密結合したシステム. 実装 に困難があった. |
Exempler S-Class | Convex | スイッチ結合型UMA | 4〜16 | HP PA-RISC 8000(180MHz) | クロスバスイッチ | 1996年10月? | SPP1600の後継. 16PU時11.52GFLOPSスペック |
Exempler X-Class | Convex | CC-NUMA | 16〜64 | HP PA-RISC 8000(180MHz) | クロスバスイッチ+単方向リング | 1996年10月? | SPP1600の後継. 16PUのノードを単方向リングで結合. 64PU時46.08 GFLOPSスペック |
EXPERTS | 京都大 | パイプライン構造 | 2+4 | 専用プロセッサ | ??? | 1984年 | 3次元図形表示用の専用マシン, 文献[280]. |
Faim-I | シュランベルジュ | NORA | 目標1000以上 | FRISC | 6角形アレイ | 1985年 | 記号処理用のプロセッサアレイ[282]. |
Flex 32 | Flex | バス結合型UMA | 最大20 | MC68020+68881 | ??? | 1985年. | Multibusライクなバスの二重構成[283] |
FPS-T | Floating Point Systems Corp. | NORA | 最大16384 | T400(トランスピュータ)+ベクトルプロセッサ | ハイパーキューブ | 1986年 | 初期のハイパーキューブマシンとして高並列, 高性能を目指し話題になっ たが, FPSの倒産で姿を消した. 文献[255] |
FX/8 | Alliant | バス結合型UMA | 最大8 | 専用プロセッサ | 専用バス | 1982年 | プロセッサとキャッシュの間をクロスバ, キャッシュとメインメモリ間 は, バスで結合されている[284] |
GF-11 | IBM | SIMD | 576 | ??? | Memphisスイッチ | 1985年 | 576ノードを Memphisスイッチで結合し, システム全体をパイプライン化 して, QCD問題の数値解析用に特化してある. 文献[146] |
Global Works Server | Thinking Machine Corp. | NORA | 64 | Ultra SPARC | Fibre Channel, ATM, Ethernetでノード間を結合 | 199?年 | |
発葉 | 千葉大 | NORA | 64 | H8/660 | 2Dトーラス | 1994年 | 放送機能, 挙手機能等大域的な交信, 同期機構を持つ.文献[268] |
HAL | NEC | ??? | 29台の論理プロセッサ, 2台のメモリプロセッサ | ??? | Omega網 | 1982年 | 1台の制御プロセッサをOmega網で接続した論理シミュレーション用エンジ ン. 文献 [285]. |
HEP | Deneltor Corp. | スイッチ結合型UMA | 16 | パイプライン構成を持つ専用プロセッサ | スイッチ結合型 | 1978年 | 各PU がマルチタスク実行用のパイプラインとスケジューラを持ち, 多数 の独立なタスクを処理可能. 文献[249] |
HOSS | 北大 | NUMA | 32 | MAP-16(PDP-11に近い) | 複数バス | 1980年 | マスタプロセッサにより, 32プロセッサのスレーブが同時動作する.連続 系シミュレーションに威力を発揮. |
HP9000モデ ルEPS20 | Hewlett Packard | ??? | 4〜32 | PA-7200 | 4PUがバス結合されたクラスタ同士をFDDIで接続 | 199?年 | 各プロセッサはPA8000に変更が可能。プロセッサバスは960MB/s。将来は Fibre Channelへの変更が可能 |
HP9000モデ ルEPS21 | Hewlett Packard | ??? | 4〜64 | PA-7200/8000 | 4PUがバス結合されたクラスタ同士をFDDI/Fibre Channelで接続 | 1996年 | EPS20の後継機 |
HP9000モデ ルEPS30 | Hewlett Packard | ??? | 14〜112 | PA-7150 | 4PUがバス結合されたクラスタ同士をFDDI/Fibre Channelで接続 | 1996年 | EPS20の後継機 |
HP9000コー ポレートビジネスサーバT500 | Hewlett Packard | ??? | 1〜12 | PA-RISC 7100 | 不明 | 199?年 | |
HYPHEN C16 | 九州大 | NUMA | 16 | Z-80 | 階層H-Rバス | 1982年. | 時代を先取りした機構をいくつも持っていた. 文献 [263]. |
Illiac-IV | Illinoi大 | SIMD | 64 | ??? | 2Dトーラス | 1973年 | 64個の演算装置を8×8のトーラス状に接続してある. 文献 [272] |
ICL-DAP | ICL Corp. | SIMD | 4096 | ??? | 2Dメッシュ | 1980年 | 各PE間はbit演算等単純な機能のみを持ち, 基本的に正方格子状に結合さ れているが,プログラマブルな部分を持たせる事で,処理能力を向上させている. 文献[273] |
IMAP-2 | NEC | SIMD | 64×8 | 専用プロセッサ | ??? | 1995年 | 8bitプロセッサ64個を1チップに搭載, プロセッサ間は特殊なバス構造を 持つ.このチップを8個直線上に接続したプロトタイプが稼働. 画像処理に威力 を発揮, IMAPの後継機種. 文献[245] |
iPSC, iPSC/2 | Intel Corp. | NORA | 最大128 | 80286/386 | ハイパーキューブ | 1986年 | iPSC/2では,プロセッサを高速化し, ハードウェアによるワームホー ルルーティングを用いている.文献 [287] |
iWarp | CMU | シストリックアレイ | 64 | 専用プロセッサ | 2Dトーラス | 1990年 | プロセッサはVLIW方式[260]. |
IXM2 | 電総研 | NUMA | 64連想プロセッサ+9ネットワークプロセッサ | T800 | 階層構造 | 1991年 | 意味ネットワークの高速処理を行なう連想プロセッサ[264]. IX-1はこのプロトタイプ |
J90 | Cray Research Inc. | NUMA | 最大32 | 専用プロセッサ(CMOS) | 不明 | 199?年 | |
J-machine | MIT | NORA | 1024 | 専用プロセッサ | 3次元格子 | 1993年(64プロセッサ) | Concurrent Smalltalkに基づく効率の良いメッセージパッシングを目指し た一種の高級言語マシン[259]. |
JUMP-1 | 国内7大学共同 | CC-NUMA | 128 | SuperSPARC+ | RDT | 1995年現在作製中, 1996年予定 | 128プロセッサのCC-NUMA, 1996年稼働予定. 4つの特殊なキャッシュを持 つSuperSPARC+から構成されるクラスタの, 共有メモリに接続されたMBPが, メ モリとメッセージの制御を行なう. クラスタ間はRDTにより接続される.文献[62] |
KDSS-1 | 慶應大 | バス結合型UMA | 8 | 16bitマイクロプロセッサ(東芝) | 専用バス | 1980年 | マルチリードメモリを持ち, 離散形シミュレーションの高速処理を目指し た.文献[19]. |
KORP | 神戸大 | バス結合型 | 16 | 8086+8087 | 専用バス | 1980年 | 全プロセッサが同時に読み出しが可能なブロードキャストメモリを持つ[267]. PARK(4PU)は,KORPの後を受け,Prologマシ ンを指向. |
KSR1 | Kendall Square Research Corp. | COMA | 最大1088 | 専用64bit CPU | 階層リング結合 | 1978年 | はじめての商用COMA. 文献[251] |
LINKS-1 | 大阪大 | NUMA | 1+64 | Z8001+i8086/87 | ??? | 1985年 | 1台のルートコンピュータと, 64台のノードコンピュータをメモリ交換装 置で結合した3次元動画生成システム.文献[271] |
MAN-YO | NEC | NORA | ??? | ??? | ??? | ??? | 循環パイプライン構造に専用プロセッサを接続した論理シミュレーショ ンエンジン[301]. |
Monsoon | MIT | DFM | 8つの要素プロセッサと, 8つの構造プロセッサを 4×4の高速 なルーティングチップの多段結合網によって結合 | 1990年 | 文献[281] | ||
MP-1/2 | MasPar Computer Corp. | ??? | 1024-16384 | ??? | ??? | 1990年 | 1024から16384のプロセッサを2次元アレイ型に接続, また, ランダム通信 のための3段クロスバスイッチによるネットワークも持つ.2で, プロセッサを 高速な物に変更した. 文献[277] |
MPC(Massively Parallel Cluster) | Concurrent Systems | 64-1024 | IMS T9000(トランスピュータ) | FatTree | 1996年 | T9000のバックエンドにDEC Alphaを備えたモジュール(Alpha アクセラレータ)を搭載可能 | |
Multimax | Encore | バス結合型UMA | 最大20 | NS32032+32081 | 専用バス | 1984年 | Balance 8000と並んで初期のバス結合型マルチプロセッサの代表. ライトスルーのスヌープキャッシュを持つ [22] . |
NCR3600 | NCR(ATT Global Information Solutions) | ??? | 256 | i486 | 2重化された2進木ネットワーク | 1992年 | ビジネス用データベースマシン. 各ノードは, プロッセッサからのデータ をマージソートする機能を持つ. 文献[253] |
nCUBE3 | nCUBE Corp. | NORA | 最大64Kノード | 専用プロセッサ | ハイパーキューブ | 1994年 | ハイパーキューブマシンのはじめからnCUBE, nCUBE-2と続いて生き残った. 当初, 科学技術計算用であったが, nCUBE-3ではデータベース, メディアサー バに用途を広げる.NORAだがソフトウェアでNUMA環境を実現. |
NOVI | NTT | NORA | 128 | T800+ベクトルプロセッサ | 2次元メッシュを基本として変更可能 | 1992年 | 画像処理用, 文献[288]. |
NUMA-Q 2000 | Sequent | CC-NUMA | 4〜? | Pentium Pro | Pentium Pro x 4 のクラスタを SCIでリング結合 | 1997年 | |
NYU Ultracomputer | New York大 | スイッチ結合型UMA | 4096ノードを目指す | 当初68010 | Omega網(プロトタイプはバス) | 1978年より | Fetch \& Add 等の同期機構や, メッセージコンバイン機能など高機能な スイッチを用いる. 文献[123] |
お茶の水5号 | 東大 | CC-NUMA | 8 | R4000 | 2進木 | 1995年 | 階層化Elastic Barrier, 疑似フルマップ方式等の機構が組み込まれる. 文献[289]. |
Origin 2000 | SGI/Cray | CC-NUMA | 1-128 | R10000 | Bristled Fat Hypercube | 1997年 | Origin 200(1-4PU), Origin2000 Deskside(-8PU), Origin2000 Rack(-64PU), Cray Origin2000(-128PU) の4種類がある. |
OSCAR | 早稲田大 | バス結合型UMA | 16 | 専用プロセッサ | 3重バス | 1988年 | ローカルメモリと分散共有メモリをもつ 16個のプロセッサを, 集中型の共有メモリに3本のバスで接続している 文献 [266] |
PASM | Pardue Univ. | スイッチ結合型UMA | 目標1024 | ??? | Generalized Cube | 1981年 | MIMDとSIMDの混合動作方式を目指す.文献[290]. |
Paragon XP/S | Intel Corp. | NORA | 最大4096 | i860 X 2 | 2次元メッシュ | 1991年 | i860の片方は通信制御用. ユーザがメッシュ構造を気にしなくて良いよ うに工夫されている |
Parsytec GC | Parsytec | NORA | 最大 16K | TC9000(トランスピュータ) | クラスタ内部はクロスバスイッチ, クラスタ間は3次元メッシュ | 1991年 | 最大400GFLOPS. 文献[252] |
PC(Parallel Cluster) | Concurrent Systems | 8,16,32 | T9000(トランスピュータ) | ??? | 1996年 | T9000のバックエンドにDEC Alphaを備えたモジュール(Alpha アクセラレータ)を搭載可能 | |
PIE64 | 東京大 | スイッチ結合NORA | 64 | SPARC | Omega網 | 1990年 | 64個の推論ユニットをクロスバスイッチで多段結合, ネットワークに負荷 分散支援機構を持つ. 文献[269] |
PIM/m | 三菱電機 | NORA | 256 | 専用プロセッサ | 2次元(?)メッシュ | 1990年 | 256プロセッサをメッシュ結合したICOTのProlog系言語GHC用マシン |
PIM/p | 富士通 | NORA/UMA | 256 | 専用プロセッサ | クラスタ内はバス, クラスタ間はハイパーキューブ網 | 1990年 | バス結合のクラスタは, スヌープキャッシュを持った共有メモリ構成を取 る. PIM/m同様GHCマシン. |
PIM/i | 沖電気工業 | NORA | 8 | 専用プロセッサ | バス結合 | 1990年 | バスはデータ転送用の高速なバスと, 非同期メッセージ通信バスの2種類 からなる. |
PIM/c | 日立 | NORA | 目標256 | 専用プロセッサ | クラスタ内はバス結合, クラスタ間はクロスバスイッチ網 | 1990年 | GHCマシン. |
Power Challenge | SGI | バス結合型UMA | 18 | MIPS TFP | 専用バス | 1994年 | SGIはグラフィックス用高性能マシンには実績(Power Station: 4PU)があ り, この流れを受け継いでいる. |
Prodigy | 東芝 | NORA | 512 | SCC68070(16bit) | base-8 3-cube | 1989年 | Prologマシンを念頭においているが, 汎用にも用いることができる[291]. |
R256 | NTT | NORA | 256 | 専用プロセッサ | 2次元base-n m-cube | 1989年 | クロスバではなくMIN(Baseline)を交点に用いる.文献[193] |
RP3 | IBM | スイッチ結合型UMA | 目標512(実際は64) | 専用プロセッサ | Omega網 | 1985年 | データ転送用と同期操作用で異なるネットワークを持ち, 効果的な同期 機構を目指したが結局Combine用のMINは実現できなかった. |
RWC-1 | RWCP | NUMA | プロトタイプ1号機は1024 | 専用プロセッサ | MDCE網 | 1995年現在開発中 | 超並列マシンのプロトタイプ. 数万規模のプロセッサを, MDCE網で結合, RICAアーキテクチャに基づいてメッセージ通信の効率かがはかられている. 文 献[270] |
QCD-PAX | 筑波大 | NORA | 432 | MC68020+ベクトルプロセッサ | 2次元格子 | 1990年 | 1977年以来開発を続けているPACSシリーズの一応の完成版.単純な構成の NORAが物理学の計算に威力を発揮することを示す[265]. |
Sigma-I | 電総研 | DFM | 128(SE+PE)+16(保守) | 4プロセッサを局所結合網(10×10のクロスバ)で結合し, それ らをさらに変形Omega網で結合している | 1987年 | 文献[278] | |
SDC1 | 東大 | データベースマシン | ??? | MC68020 | 負荷自動分散結合網 | 1993年 | 現在SDC2を開発中[295]. |
SM-1 | 住友金属/豊橋技術科学大 | SIMD | 1024 | 32bitプロセッサ | シャッフル,2次元,バス | 1993年 | 超並列SIMDマシンのプロトタイプ. 並列言語, 並Cが動作する[276] . |
(SM)2-II | 慶應大 | NORA/NUMA | 20 | MC68000 | 専用バス | 1986年 | 言語, OS, アーキテクチャまでメッセージマルチキャストを基本とした通信で 統一されていた.マルチキャストは, RSM(Receiver Selectable Multicast)により 実現された.文献[292]. |
SMS 80/201 | シーメンス社 | NORA | 最大128 | 専用プロセッサ | バス結合(201は階層バス) | 1978年 | 各モジュールが独立に, 他のプロセッサと通信しながら動作するのでは なく, メインプロセッサの制御の元に, ブロードキャストされたデータで並列 動作を行なう.最も初期の商用マルチプロセッサの1つ. 文献[256] |
SNAIL | 慶應大 | スイッチ結合型UMA | 16 | MC68040 | TBSF | 1994年 | SSS型TBSF MINチップを用いる.メッセージコンバインを実現. 文献 [128] . |
SP-2 | IBM | NORA | 最大512 | POWER2(RS6000) | 特殊な多段間接網HPSを用いる. | 1993年 | 各PUはワークステーションと同様の構成であり, ワークステーションク ラスタとして考える場合もある[293]. 1995年5月頃から RS6000 SPという呼び方に変わったようである |
SPARCcenter 2000 | Sun Microsystems | バス結合型UMA | 2〜20 | SPARC | XDBus | 1994年 | ビジネス用途の高性能サーバ. 最新は2000E |
SPARCserver 1000 | Sun Microsystems | バス結合型UMA | 2〜8 | SPARC | XDBus | 1994年? | 最新は1000E |
SPP Exempler 1000 | Convex | CC-NUMA | 128(8×16) | HP PA-RISC 7100 | クロスバスイッチ | 1994年 | 最大8プロセッサを1ノードとし, ノード内では2プロセッサ単位で, 共有 メモリ・I/O とクロスバスイッチにより結合されている.ノード間は高速リン グで結合される. SCIを用いたCC-NUMAの商用機. |
SPP Exempler 1200 | Convex | CC-NUMA | 2〜128(8×16) | HP PA-RISC 7200 | クロスバスイッチ | 1995年 | |
SPP Exempler 1600 | Convex | CC-NUMA | 4〜64 | HP PA-RISC 7200 | クロスバスイッチ | 1996年? | |
SPUR | U.C. Berkeley | バス結合型UMA | 12 | 専用RISC | 専用バス | 1986年 | 各プロセッサは一種のLispマシン. Berkeleyプロトコルを搭載 [29]. |
Symmetry | Sequent | バス結合型UMA | 最大30 | i80386+387 | ??? | 1987年 | Balance 8000の後継機種. スヌープキャッシュにライトバックを採用 . |
Symmetry 5000 | Sequent | バス結合型UMA | 2〜30 | Pentium(166MHz) | ??? | 199?年 | Symmetryの後継機? 4クラスタまでの構成(最高120台)が可能 |
SR2201 | 日立 | NORA | 32〜2048 | HP-PA | ハイパクロスバ | 1995年 | 疑似ベクトルプロセッサを搭載. システム最大性能614.4GFLOPS(2048PU)[294]. 95/07/31発表 |
SR4300 | 日立 | NORA | 2〜128 | POWER2, POWER2 Super, PowerPC604 | HPS | 1995年 | SP-2のOEM |
STARAN | Goodyear Co. | SIMD | 256 | ??? | Flip Net | 1972年 | 1ビット演算器とメモリ間をフリップネットワークと呼ばれる集中制御型 の多段網で結合.文献[274] |
Synapse N+1 | Synapse Computer Corp. | バス結合型UMA | 28 | MC68000 | 多重化されたバス | 1980年 | トランザクション処理用高信頼性システム. ライトバック型スヌープキャッ シュが初めて実装された商用機[296] |
SX-4 | NEC | ??? | 1〜512 | 専用プロセッサ | ??? | 1994年 | ノード当たり最大32PU, 最大16ノードで512PU. ノード間の結合はクロスバースイッチまたはHIPPIスイッチ. システム最大性能1TFLOPS(512PU). |
SX-5 | NEC | ??? | 1〜512 | 専用プロセッサ | ??? | 199?年 | ノード当たり最大16PU, 最大32ノードで512PU. ノード間の結合は超高速のノード間接続装置(IXS)またはHIPPIスイッチ. システム最大性能4TFLOPS(512PU). |
T3D(Tera3D) | Cray Research Inc. | NUMA | 最大2048 | Alpha 21064 | 密結合した 2PE を1ノードとし, 3次元トーラス構造に結合 | 1992年 | 最大300GFLOPS. ハードウェアでキャッシングはできないが, ソフトウェ アでのキャッシングを援助するハードウェアがついている. |
T3E | Cray Research Inc. | NUMA | 最大2048 | Alpha 21164 | 密結合した 2PE を1ノードとし, 3次元トーラス構造に結合 | 1995年 | T3Eを50%性能向上させた,T3E-900がリリースされている. |
T90 | Cray Research Inc. | ??? | 最大32 | 専用プロセッサ | 不明 | 199?年 | |
TC2000 | BBN | スイッチ結合型UMA | 256 | MC88100+MC88020 | Omega網 | 1989年 | Butterflyの後継機種 |
TOP-1 | 日本IBM | バス結合型UMA | 11 | 80386+ベクトルプロセッサ | 専用バス | 1988年 | 独自のスヌーププロトコルを持つ.プロトコルはプロセッサごとに変更可 [36] |
TRB(トーラスリングバス)階層型並列マシン | 岡山理科大 | NORA | 48 | DSP(TMS320C30) | リングバス | 1995年 | リングバスでローカルに接続したプロセッサをクラスタとし, クラスタ同 士を2Dトーラスで接続.文献[298]. |
Ultra Enterprise 4000/5000/6000 | Sun Microsystems | バス結合UMA | 最大14 (4000/5000), 30(6000) | Ultra SPARC | Gigaplaneと呼ぶpacket-switched system bus | 1996年? | Gigaplaneはピーク性能2.6GB/s |
Ultra Enterprise 10000 | Sun Microsystems | バス結合UMA | 16〜64 | Ultra SPARC | Gigaplane + クロスバ | 1997年 | 97/4/3発表 |
VPP300 | 富士通 | ??? | 4〜16 | 専用プロセッサ | ??? | 1996年 | システム最大性能35.2GFLOPS. |
VPP-300E | 富士通 | ??? | 1〜16 | 専用プロセッサ | クロスバスイッチ | 199?年 | システム最大性能38.4GFLOPS97/2/4発表 |
VPP500 | 富士通 | ??? | 4〜222 | 専用プロセッサ | クロスバスイッチ | 1992年 | ベクトルプロセッサ使用を前提とした数値計算指向のマシン. PE間はク ロスバネットワークで結合され, ネットワークにプロセッサ間同期機構を持つ. 文献[297] システム最大性能355GFLOPS |
VPP700 | 富士通 | ??? | 16〜512 | 専用プロセッサ | ??? | 1996年 | 単体PE性能 2.2GFLOPS, システム最大性能1.126TFLOPS.96/3/4 発表 |
VPP700E | 富士通 | ??? | 16〜512 | 専用プロセッサ | クロスバ | 1997年 | 単体PE性能 2.4GFLOPS, システム最大性能1.228TFLOPS. 97/2/4発表 |
WinServer 5000 | Sequent | バス結合型UMA | 2〜28 | Pentium | ??? | 199?年 | WindowsNT用サーバ |
Y-MP M90 | Cray Research Inc. | ??? | 最大8 | 専用プロセッサ | 199?年 | Y-MPの後継機 | |
YSE | IBM | ??? | 256 | ??? | ??? | 1982年 | 最大256プロセッサをスイッチ接続した論理シミュレーション専用エンジ ン. 文献[300]. |