並列計算機のサーベイ

ここでは,MIMD型,SIMD型並列計算機の中で,以下の条件を満たすものを 中心にサーベイした.(1)8プロセッサ以上(2)稼働して評価が取れたもの. これはペーパマシン,提案のみのマシン,実装は開始したが稼働に至らなかった マシンを, サーベイの範囲に入れると膨大なものになるためである. 同様に8プロセッサより少ない数のシステム,特に4プロセッサ程度のシステムも 数が膨大であるため,サーベイから省いた.しかし,特に本文との関連が深いマシン については, 上記基準を満足しなくてもサーベイに含めた.

項目は一応以下の順であるが, SIMDマシン,専用マシン,データフローマシンについては, 必ずしも順番に従っていない. (1)マシン名,(2)開発者,(3)分類,(4)システムサイズ,(5)要素プロセッサの構成, (6)結合法,(7)開発年,(8)その他である. このうち(7)はかなり問題がある.マシンは開発を開始してから稼働に至り,さらに 商用化するには, それぞれ数年を要する場合がある.したがってあるマシンが,いつ 開発されたかを正確に記述することは, 不可能に近い.しかし敢えてこの数字を挙げたの は,かなり昔のマシンまで調べたかったため, 大体いつごろ開発されたかが, かなり重要だと考えたためである. したがってこの数字は, プラス マイナス2年くらいの誤差を含んでいることを申し添えたい.また,システムサイズに ついても実際に, そのサイズで稼働していないマシンもある. データフローマシン(DFM)に関しては,本書で触れなかった関係もあり, サーベイも著名なものにとどめた. 参考文献が引用されていないマシンは, ICOTによる調査報告書[235]を元にしている.

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マシン名 開発者 分類 結合法 開発年
マシン名 開発者 分類 システムサイズ 要素プロセッサの構成 結合法 開発年 その他
AAP-2 NTT SIMD 64K 不明 2次元格子状 1989年 AAP-1の後継機で1チップ上に4×4のアレイを実装し, 全体で128×128のア レイを実現. 画像処理等に威力を発揮[275].
ADENART 松下電器産業 NORA 256 20MIPSの専用プロセッサ ハイパクロス 1989年 最大5.12GFLOPS ADINAを商用化したシステム[238]
ADINA/ADENA 京都大学 NORA 256 3850 ハイパクロス 1980年 ADI法に特化したシステム. ADENA-IIを経てADENARTで商用化された [196]
Alewife MIT CC-NUMA 512 Sparcle (Sparcを基にしたプロセッサ) 2次元格子 1995年現在32PUのプロトタイプが稼働中 リミテッドポインタ方式に基づくCC-NUMAの実験機 [61].
A-NET 宇都宮大 NORA 16 専用プロセッサ 静的可変構造 1995年 並列オブジェクト指向計算モデルに基づくトータルアーキテクチャ [237].
AP1000 富士通 NORA 16〜1024ノード SPARC+FPU 2次元トーラス+リング+階層バス 1990年 科学技術用大規模並列計算機, 最大8.5GFLOPS 文献 [236]
AP1000+ 富士通 NORA 16〜1024ノード SuperSPARC+ 2次元トーラス+リング+階層バス 1990年 科学技術用大規模並列計算機, 最大51.2GFLOPS, AP1000の後継機種, 共 有メモリの実現, メッセージハンドリングが工夫されている.
AP3000 富士通 NORA 4〜1024 Ultra SPARC AP-Net 1996年 AP1000, 1000+とは異なり, 200MB/sのAP-Net(詳細不明)によって結合され たクラスタ構成をとる. 96/3/7 発表 Ultra SPARC-IIを搭載した P250, P300発表(97/10/7)
ATTEMPT-0 慶應大 バス結合型UMA 20 MC68030+MC68882 Futurebus 1989年 ライトスルースヌープキャッシュに加え, 交信と同期を統合した Synchronizerを持つテストベット[20].
Balance 8000 Sequent バス結合型UMA 最大12 NS32032+32081 専用バス 1984年 初期のバス結合型マルチプロセッサの代表, Balance2100ではプロセッサ をNS32332にグレードアップし, バスを強化してプロセッサ数も最大30まで大 きくした.ライトスルーのスヌープキャッシュを持つ [22].
BSP Burroughs Corp. SIMD 16 専用プロセッサ クロスバ 1980年 16の演算素子に対しそれより大きい17個のメモリモジュールを持ち, フル クロスバで結合されている, 文献 [145]
Butterfly BBN スイッチ結合型UMA 256 MC68020+MC68881 Omega網 1987年 初期のスイッチ結合型のUMAで最も成功した商用機, ホームメモリ構成 [147]
C90 Cray Research Inc. ??? 最大16 専用プロセッサ 不明 199?年 Y-MPの後継機
CAP256 富士通 NORA 256 i80186+i8087 2次元メッシュが基本だが, 6チャネルを持つCAP-VLSIにより様々な形態 を取ることができる. 1987年 強力な映像化装置を持ち, グラフィックスに威力を発揮した [239]. AP1000のもととなった.
Cenju NEC NUMA 64 68020+68882+WTL1167 多段接続網でPE間が直接接続される. 1988年 キャッシングはハードウェアではできない[240].
Cenju-2 NEC NUMA 256 VR3000+VR3010 多段接続網でPE間が直接接続される. 1992年 最大6.4GFLOPS, 回路シミュレーションに威力を発揮, Cenjuの後継機種.
Cenju-3 NEC NUMA 256 R4400SC 多段接続網でPE間が直接接続される [241] . 1994年 最大12.8GFLOPS, Cenju-2の後継機種.
Cenju-4 NEC NUMA 1024 R10000 多段接続網でPE間が直接接続される(200MB/s) 1997年 最大400GFLOPS, Cenju-3の後継機種.最大メモリ容量 512GB. 1997年7月28日発表
Cedar Illinois大 スイッチ結合型UMA 32 ??? Omega網 1991年 マクロデータフロー実行用. FX/8 4セットの各プロセッサを32 × 32の Omega網で結合. 文献 [150].
クラスタ方式マルチプロセッサシステム 東北大 NUMA 32 Z80 階層バス 1978年 8プロセッサからなるクラスタ4つからなる. SIMD動作可能 [243].
CM-1/2 MIT/Thinking Machine Corp. SIMD 64K 専用プロセッサ(32個1チップ) ハイパーキューブ 1986年 1bitの単純なノードを32個1チップに実装し, ハイパーキューブ結合を行なった. データパラレルの概念を提唱し, 一時代を築いた.文献[242]
CM-5 Thinking Machine Corp. NORA 1023 SPARC+FPU 4進木を基本とする FatTreeで結合 1991年 最大128GFLOPS, 米国の大学を中心に広く用いられたが Thinking Machine 社の倒産で姿を消しつつある.文献[244]
CM* CMU NUMA 50 PDP-11 階層バス 1980年 5つのクラスタを星状結合した NUMA, 各 PU は直接すべてのメモリを参照 でき, 結合装置内でアドレス変換・ルーティングをする機構を持つ. 文献 [257]
C.mmp CMU スイッチ結合型UMA 16 PDP-11 クロスバ 1975年 16台の PDP11と共有メモリをクロスバスイッチで結合, 文献 [258]
Cosmic Cube カリフォルニア工科大 NORA 64 i8086+i8087 ハイパーキューブ 1984年 ハイパーキューブマシンの元祖, 文献[254]
Coral 68K 徳島大 NORA 63 ??? 2進木 1989年 2進木であるが, 同じ階層の隣接する2つのPEとも結合されて, データを交換できるように工夫されている, 文献[261].
CP-PACS 筑波大 NORA 2048 PA-RISC改 ハイパクロスバ 1995年 スライドベクタウインドウを持つ疑似ベクタプロセッサをPA-RISCに搭載, PACS, QCD-PAXの流れを受け継ぎ, さらに汎用化を目指した. 文献 [262] 1995年に1024台、1996年に2048台稼働
CRAY3 CRAY Computer Corp. スイッチ結合型UMA 最大16 総GaAsの専用プロセッサ ??? 1994年 最大16GFLOPS, 総GaAsで, かつ実装技術により高集積化を図ったスーパ コンピュータ. CRAY-2の後継機種.
CS2 Meiko NORA 最大64 SuperSPARC+ベクトルプロセッサ ??? 1992年 8方向クロスバスイッチを基本とした多段結合網, ネッ トワークを2重化している. 文献[250]
CS6400 CRAY Reserach Superserver CC-NUMA 64 SuperSPARC 階層バス 1994年 データベース, トランザクション処理等ビジネス用を考慮し, 耐故障性に 配慮.
DADO/DADO2 Columbia Univ. NORA 最大1023 Intel 8751 二進木構造 1984年 プロダクションシステムの高速実行用, 文献
DASH Stanford大 CC-NUMA 16 R3000 2次元格子, 4PUのクラスタ(SGI Powerstation)を4つ格子状に接続 1992年 ディレクトリはフルマップ, リリースコンティステンシを実現, 文献 [24].
Elexsi 6400 Elexsi バス結合型UMA 最大12 専用プロセッサ GIGA-Bus 1982年 プロセッサをGIGA-Bus という高速バスで結合している [22].
EL90 Cray Research Inc. ??? 最大8 専用プロセッサ
1993年 Y-MP ELの後継機
EM-4 電総研 DFM 80 専用プロセッサ 要素プロセッサを循環オメガ網で結合 1990年 文献[279]
ETA10 CDC/ETA UMA 8 ??? 集中結合 1987年 スーパコンピュータ8台を共有メモリに対して密結合したシステム. 実装 に困難があった.
Exempler S-Class Convex スイッチ結合型UMA 4〜16 HP PA-RISC 8000(180MHz) クロスバスイッチ 1996年10月? SPP1600の後継. 16PU時11.52GFLOPSスペック
Exempler X-Class Convex CC-NUMA 16〜64 HP PA-RISC 8000(180MHz) クロスバスイッチ+単方向リング 1996年10月? SPP1600の後継. 16PUのノードを単方向リングで結合. 64PU時46.08 GFLOPSスペック
EXPERTS 京都大 パイプライン構造 2+4 専用プロセッサ ??? 1984年 3次元図形表示用の専用マシン, 文献[280].
Faim-I シュランベルジュ NORA 目標1000以上 FRISC 6角形アレイ 1985年 記号処理用のプロセッサアレイ[282].
Flex 32 Flex バス結合型UMA 最大20 MC68020+68881 ??? 1985年. Multibusライクなバスの二重構成[283]
FPS-T Floating Point Systems Corp. NORA 最大16384 T400(トランスピュータ)+ベクトルプロセッサ ハイパーキューブ 1986年 初期のハイパーキューブマシンとして高並列, 高性能を目指し話題になっ たが, FPSの倒産で姿を消した. 文献[255]
FX/8 Alliant バス結合型UMA 最大8 専用プロセッサ 専用バス 1982年 プロセッサとキャッシュの間をクロスバ, キャッシュとメインメモリ間 は, バスで結合されている[284]
GF-11 IBM SIMD 576 ??? Memphisスイッチ 1985年 576ノードを Memphisスイッチで結合し, システム全体をパイプライン化 して, QCD問題の数値解析用に特化してある. 文献[146]
Global Works Server Thinking Machine Corp. NORA 64 Ultra SPARC Fibre Channel, ATM, Ethernetでノード間を結合 199?年
発葉 千葉大 NORA 64 H8/660 2Dトーラス 1994年 放送機能, 挙手機能等大域的な交信, 同期機構を持つ.文献[268]
HAL NEC ??? 29台の論理プロセッサ, 2台のメモリプロセッサ ??? Omega網 1982年 1台の制御プロセッサをOmega網で接続した論理シミュレーション用エンジ ン. 文献 [285].
HEP Deneltor Corp. スイッチ結合型UMA 16 パイプライン構成を持つ専用プロセッサ スイッチ結合型 1978年 各PU がマルチタスク実行用のパイプラインとスケジューラを持ち, 多数 の独立なタスクを処理可能. 文献[249]
HOSS 北大 NUMA 32 MAP-16(PDP-11に近い) 複数バス 1980年 マスタプロセッサにより, 32プロセッサのスレーブが同時動作する.連続 系シミュレーションに威力を発揮.
HP9000モデ ルEPS20 Hewlett Packard ??? 4〜32 PA-7200 4PUがバス結合されたクラスタ同士をFDDIで接続 199?年 各プロセッサはPA8000に変更が可能。プロセッサバスは960MB/s。将来は Fibre Channelへの変更が可能
HP9000モデ ルEPS21 Hewlett Packard ??? 4〜64 PA-7200/8000 4PUがバス結合されたクラスタ同士をFDDI/Fibre Channelで接続 1996年 EPS20の後継機
HP9000モデ ルEPS30 Hewlett Packard ??? 14〜112 PA-7150 4PUがバス結合されたクラスタ同士をFDDI/Fibre Channelで接続 1996年 EPS20の後継機
HP9000コー ポレートビジネスサーバT500 Hewlett Packard ??? 1〜12 PA-RISC 7100 不明 199?年
HYPHEN C16 九州大 NUMA 16 Z-80 階層H-Rバス 1982年. 時代を先取りした機構をいくつも持っていた. 文献 [263].
Illiac-IV Illinoi大 SIMD 64 ??? 2Dトーラス 1973年 64個の演算装置を8×8のトーラス状に接続してある. 文献 [272]
ICL-DAP ICL Corp. SIMD 4096 ??? 2Dメッシュ 1980年 各PE間はbit演算等単純な機能のみを持ち, 基本的に正方格子状に結合さ れているが,プログラマブルな部分を持たせる事で,処理能力を向上させている. 文献[273]
IMAP-2 NEC SIMD 64×8 専用プロセッサ ??? 1995年 8bitプロセッサ64個を1チップに搭載, プロセッサ間は特殊なバス構造を 持つ.このチップを8個直線上に接続したプロトタイプが稼働. 画像処理に威力 を発揮, IMAPの後継機種. 文献[245]
iPSC, iPSC/2 Intel Corp. NORA 最大128 80286/386 ハイパーキューブ 1986年 iPSC/2では,プロセッサを高速化し, ハードウェアによるワームホー ルルーティングを用いている.文献 [287]
iWarp CMU シストリックアレイ 64 専用プロセッサ 2Dトーラス 1990年 プロセッサはVLIW方式[260].
IXM2 電総研 NUMA 64連想プロセッサ+9ネットワークプロセッサ T800 階層構造 1991年 意味ネットワークの高速処理を行なう連想プロセッサ[264]. IX-1はこのプロトタイプ
J90 Cray Research Inc. NUMA 最大32 専用プロセッサ(CMOS) 不明 199?年
J-machine MIT NORA 1024 専用プロセッサ 3次元格子 1993年(64プロセッサ) Concurrent Smalltalkに基づく効率の良いメッセージパッシングを目指し た一種の高級言語マシン[259].
JUMP-1 国内7大学共同 CC-NUMA 128 SuperSPARC+ RDT 1995年現在作製中, 1996年予定 128プロセッサのCC-NUMA, 1996年稼働予定. 4つの特殊なキャッシュを持 つSuperSPARC+から構成されるクラスタの, 共有メモリに接続されたMBPが, メ モリとメッセージの制御を行なう. クラスタ間はRDTにより接続される.文献[62]
KDSS-1 慶應大 バス結合型UMA 8 16bitマイクロプロセッサ(東芝) 専用バス 1980年 マルチリードメモリを持ち, 離散形シミュレーションの高速処理を目指し た.文献[19].
KORP 神戸大 バス結合型 16 8086+8087 専用バス 1980年 全プロセッサが同時に読み出しが可能なブロードキャストメモリを持つ[267]. PARK(4PU)は,KORPの後を受け,Prologマシ ンを指向.
KSR1 Kendall Square Research Corp. COMA 最大1088 専用64bit CPU 階層リング結合 1978年 はじめての商用COMA. 文献[251]
LINKS-1 大阪大 NUMA 1+64 Z8001+i8086/87 ??? 1985年 1台のルートコンピュータと, 64台のノードコンピュータをメモリ交換装 置で結合した3次元動画生成システム.文献[271]
MAN-YO NEC NORA ??? ??? ??? ??? 循環パイプライン構造に専用プロセッサを接続した論理シミュレーショ ンエンジン[301].
Monsoon MIT DFM 8つの要素プロセッサと, 8つの構造プロセッサを 4×4の高速 なルーティングチップの多段結合網によって結合 1990年 文献[281]
MP-1/2 MasPar Computer Corp. ??? 1024-16384 ??? ??? 1990年 1024から16384のプロセッサを2次元アレイ型に接続, また, ランダム通信 のための3段クロスバスイッチによるネットワークも持つ.2で, プロセッサを 高速な物に変更した. 文献[277]
MPC(Massively Parallel Cluster) Concurrent Systems
64-1024 IMS T9000(トランスピュータ) FatTree 1996年 T9000のバックエンドにDEC Alphaを備えたモジュール(Alpha アクセラレータ)を搭載可能
Multimax Encore バス結合型UMA 最大20 NS32032+32081 専用バス 1984年 Balance 8000と並んで初期のバス結合型マルチプロセッサの代表. ライトスルーのスヌープキャッシュを持つ [22] .
NCR3600 NCR(ATT Global Information Solutions) ??? 256 i486 2重化された2進木ネットワーク 1992年 ビジネス用データベースマシン. 各ノードは, プロッセッサからのデータ をマージソートする機能を持つ. 文献[253]
nCUBE3 nCUBE Corp. NORA 最大64Kノード 専用プロセッサ ハイパーキューブ 1994年 ハイパーキューブマシンのはじめからnCUBE, nCUBE-2と続いて生き残った. 当初, 科学技術計算用であったが, nCUBE-3ではデータベース, メディアサー バに用途を広げる.NORAだがソフトウェアでNUMA環境を実現.
NOVI NTT NORA 128 T800+ベクトルプロセッサ 2次元メッシュを基本として変更可能 1992年 画像処理用, 文献[288].
NUMA-Q 2000 Sequent CC-NUMA 4〜? Pentium Pro Pentium Pro x 4 のクラスタを SCIでリング結合 1997年
NYU Ultracomputer New York大 スイッチ結合型UMA 4096ノードを目指す 当初68010 Omega網(プロトタイプはバス) 1978年より Fetch \& Add 等の同期機構や, メッセージコンバイン機能など高機能な スイッチを用いる. 文献[123]
お茶の水5号 東大 CC-NUMA 8 R4000 2進木 1995年 階層化Elastic Barrier, 疑似フルマップ方式等の機構が組み込まれる. 文献[289].
Origin 2000 SGI/Cray CC-NUMA 1-128 R10000 Bristled Fat Hypercube 1997年 Origin 200(1-4PU), Origin2000 Deskside(-8PU), Origin2000 Rack(-64PU), Cray Origin2000(-128PU) の4種類がある.
OSCAR 早稲田大 バス結合型UMA 16 専用プロセッサ 3重バス 1988年 ローカルメモリと分散共有メモリをもつ 16個のプロセッサを, 集中型の共有メモリに3本のバスで接続している 文献 [266]
PASM Pardue Univ. スイッチ結合型UMA 目標1024 ??? Generalized Cube 1981年 MIMDとSIMDの混合動作方式を目指す.文献[290].
Paragon XP/S Intel Corp. NORA 最大4096 i860 X 2 2次元メッシュ 1991年 i860の片方は通信制御用. ユーザがメッシュ構造を気にしなくて良いよ うに工夫されている
Parsytec GC Parsytec NORA 最大 16K TC9000(トランスピュータ) クラスタ内部はクロスバスイッチ, クラスタ間は3次元メッシュ 1991年 最大400GFLOPS. 文献[252]
PC(Parallel Cluster) Concurrent Systems
8,16,32 T9000(トランスピュータ) ??? 1996年 T9000のバックエンドにDEC Alphaを備えたモジュール(Alpha アクセラレータ)を搭載可能
PIE64 東京大 スイッチ結合NORA 64 SPARC Omega網 1990年 64個の推論ユニットをクロスバスイッチで多段結合, ネットワークに負荷 分散支援機構を持つ. 文献[269]
PIM/m 三菱電機 NORA 256 専用プロセッサ 2次元(?)メッシュ 1990年 256プロセッサをメッシュ結合したICOTのProlog系言語GHC用マシン
PIM/p 富士通 NORA/UMA 256 専用プロセッサ クラスタ内はバス, クラスタ間はハイパーキューブ網 1990年 バス結合のクラスタは, スヌープキャッシュを持った共有メモリ構成を取 る. PIM/m同様GHCマシン.
PIM/i 沖電気工業 NORA 8 専用プロセッサ バス結合 1990年 バスはデータ転送用の高速なバスと, 非同期メッセージ通信バスの2種類 からなる.
PIM/c 日立 NORA 目標256 専用プロセッサ クラスタ内はバス結合, クラスタ間はクロスバスイッチ網 1990年 GHCマシン.
Power Challenge SGI バス結合型UMA 18 MIPS TFP 専用バス 1994年 SGIはグラフィックス用高性能マシンには実績(Power Station: 4PU)があ り, この流れを受け継いでいる.
Prodigy 東芝 NORA 512 SCC68070(16bit) base-8 3-cube 1989年 Prologマシンを念頭においているが, 汎用にも用いることができる[291].
R256 NTT NORA 256 専用プロセッサ 2次元base-n m-cube 1989年 クロスバではなくMIN(Baseline)を交点に用いる.文献[193]
RP3 IBM スイッチ結合型UMA 目標512(実際は64) 専用プロセッサ Omega網 1985年 データ転送用と同期操作用で異なるネットワークを持ち, 効果的な同期 機構を目指したが結局Combine用のMINは実現できなかった.
RWC-1 RWCP NUMA プロトタイプ1号機は1024 専用プロセッサ MDCE網 1995年現在開発中 超並列マシンのプロトタイプ. 数万規模のプロセッサを, MDCE網で結合, RICAアーキテクチャに基づいてメッセージ通信の効率かがはかられている. 文 献[270]
QCD-PAX 筑波大 NORA 432 MC68020+ベクトルプロセッサ 2次元格子 1990年 1977年以来開発を続けているPACSシリーズの一応の完成版.単純な構成の NORAが物理学の計算に威力を発揮することを示す[265].
Sigma-I 電総研 DFM 128(SE+PE)+16(保守) 4プロセッサを局所結合網(10×10のクロスバ)で結合し, それ らをさらに変形Omega網で結合している 1987年 文献[278]
SDC1 東大 データベースマシン ??? MC68020 負荷自動分散結合網 1993年 現在SDC2を開発中[295].
SM-1 住友金属/豊橋技術科学大 SIMD 1024 32bitプロセッサ シャッフル,2次元,バス 1993年 超並列SIMDマシンのプロトタイプ. 並列言語, 並Cが動作する[276] .
(SM)2-II 慶應大 NORA/NUMA 20 MC68000 専用バス 1986年 言語, OS, アーキテクチャまでメッセージマルチキャストを基本とした通信で 統一されていた.マルチキャストは, RSM(Receiver Selectable Multicast)により 実現された.文献[292].
SMS 80/201 シーメンス社 NORA 最大128 専用プロセッサ バス結合(201は階層バス) 1978年 各モジュールが独立に, 他のプロセッサと通信しながら動作するのでは なく, メインプロセッサの制御の元に, ブロードキャストされたデータで並列 動作を行なう.最も初期の商用マルチプロセッサの1つ. 文献[256]
SNAIL 慶應大 スイッチ結合型UMA 16 MC68040 TBSF 1994年 SSS型TBSF MINチップを用いる.メッセージコンバインを実現. 文献 [128] .
SP-2 IBM NORA 最大512 POWER2(RS6000) 特殊な多段間接網HPSを用いる. 1993年 各PUはワークステーションと同様の構成であり, ワークステーションク ラスタとして考える場合もある[293]. 1995年5月頃から RS6000 SPという呼び方に変わったようである
SPARCcenter 2000 Sun Microsystems バス結合型UMA 2〜20 SPARC XDBus 1994年 ビジネス用途の高性能サーバ. 最新は2000E
SPARCserver 1000 Sun Microsystems バス結合型UMA 2〜8 SPARC XDBus 1994年? 最新は1000E
SPP Exempler 1000 Convex CC-NUMA 128(8×16) HP PA-RISC 7100 クロスバスイッチ 1994年 最大8プロセッサを1ノードとし, ノード内では2プロセッサ単位で, 共有 メモリ・I/O とクロスバスイッチにより結合されている.ノード間は高速リン グで結合される. SCIを用いたCC-NUMAの商用機.
SPP Exempler 1200 Convex CC-NUMA 2〜128(8×16) HP PA-RISC 7200 クロスバスイッチ 1995年
SPP Exempler 1600 Convex CC-NUMA 4〜64 HP PA-RISC 7200 クロスバスイッチ 1996年?
SPUR U.C. Berkeley バス結合型UMA 12 専用RISC 専用バス 1986年 各プロセッサは一種のLispマシン. Berkeleyプロトコルを搭載 [29].
Symmetry Sequent バス結合型UMA 最大30 i80386+387 ??? 1987年 Balance 8000の後継機種. スヌープキャッシュにライトバックを採用 .
Symmetry 5000 Sequent バス結合型UMA 2〜30 Pentium(166MHz) ??? 199?年 Symmetryの後継機? 4クラスタまでの構成(最高120台)が可能
SR2201 日立 NORA 32〜2048 HP-PA ハイパクロスバ 1995年 疑似ベクトルプロセッサを搭載. システム最大性能614.4GFLOPS(2048PU)[294]. 95/07/31発表
SR4300 日立 NORA 2〜128 POWER2, POWER2 Super, PowerPC604 HPS 1995年 SP-2のOEM
STARAN Goodyear Co. SIMD 256 ??? Flip Net 1972年 1ビット演算器とメモリ間をフリップネットワークと呼ばれる集中制御型 の多段網で結合.文献[274]
Synapse N+1 Synapse Computer Corp. バス結合型UMA 28 MC68000 多重化されたバス 1980年 トランザクション処理用高信頼性システム. ライトバック型スヌープキャッ シュが初めて実装された商用機[296]
SX-4 NEC ??? 1〜512 専用プロセッサ ??? 1994年 ノード当たり最大32PU, 最大16ノードで512PU. ノード間の結合はクロスバースイッチまたはHIPPIスイッチ. システム最大性能1TFLOPS(512PU).
SX-5 NEC ??? 1〜512 専用プロセッサ ??? 199?年 ノード当たり最大16PU, 最大32ノードで512PU. ノード間の結合は超高速のノード間接続装置(IXS)またはHIPPIスイッチ. システム最大性能4TFLOPS(512PU).
T3D(Tera3D) Cray Research Inc. NUMA 最大2048 Alpha 21064 密結合した 2PE を1ノードとし, 3次元トーラス構造に結合 1992年 最大300GFLOPS. ハードウェアでキャッシングはできないが, ソフトウェ アでのキャッシングを援助するハードウェアがついている.
T3E Cray Research Inc. NUMA 最大2048 Alpha 21164 密結合した 2PE を1ノードとし, 3次元トーラス構造に結合 1995年 T3Eを50%性能向上させた,T3E-900がリリースされている.
T90 Cray Research Inc. ??? 最大32 専用プロセッサ 不明 199?年
TC2000 BBN スイッチ結合型UMA 256 MC88100+MC88020 Omega網 1989年 Butterflyの後継機種
TOP-1 日本IBM バス結合型UMA 11 80386+ベクトルプロセッサ 専用バス 1988年 独自のスヌーププロトコルを持つ.プロトコルはプロセッサごとに変更可 [36]
TRB(トーラスリングバス)階層型並列マシン 岡山理科大 NORA 48 DSP(TMS320C30) リングバス 1995年 リングバスでローカルに接続したプロセッサをクラスタとし, クラスタ同 士を2Dトーラスで接続.文献[298].
Ultra Enterprise 4000/5000/6000 Sun Microsystems バス結合UMA 最大14 (4000/5000), 30(6000) Ultra SPARC Gigaplaneと呼ぶpacket-switched system bus 1996年? Gigaplaneはピーク性能2.6GB/s
Ultra Enterprise 10000 Sun Microsystems バス結合UMA 16〜64 Ultra SPARC Gigaplane + クロスバ 1997年 97/4/3発表
VPP300 富士通 ??? 4〜16 専用プロセッサ ??? 1996年 システム最大性能35.2GFLOPS.
VPP-300E 富士通 ??? 1〜16 専用プロセッサ クロスバスイッチ 199?年 システム最大性能38.4GFLOPS97/2/4発表
VPP500 富士通 ??? 4〜222 専用プロセッサ クロスバスイッチ 1992年 ベクトルプロセッサ使用を前提とした数値計算指向のマシン. PE間はク ロスバネットワークで結合され, ネットワークにプロセッサ間同期機構を持つ. 文献[297] システム最大性能355GFLOPS
VPP700 富士通 ??? 16〜512 専用プロセッサ ??? 1996年 単体PE性能 2.2GFLOPS, システム最大性能1.126TFLOPS.96/3/4 発表
VPP700E 富士通 ??? 16〜512 専用プロセッサ クロスバ 1997年 単体PE性能 2.4GFLOPS, システム最大性能1.228TFLOPS. 97/2/4発表
WinServer 5000 Sequent バス結合型UMA 2〜28 Pentium ??? 199?年 WindowsNT用サーバ
Y-MP M90 Cray Research Inc. ??? 最大8 専用プロセッサ 199?年 Y-MPの後継機
YSE IBM ??? 256 ??? ??? 1982年 最大256プロセッサをスイッチ接続した論理シミュレーション専用エンジ ン. 文献[300].

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天野 英晴
Last modified: Mon Nov 10 22:34:55 JST 1997