■フロアプラン(電源系)

現在のチップは、スタセル(Inverter だとか Nand とかの最小要素) を大量に組みあわせて配置することで作られている。 電源系のフロアプランとは、このスタセルに以下に電源を供給するかのプランである。

●スタセル

教科書を読んで欲しい。 でも少しだけ説明する。





Astro と icfb 上での Inverter である。どっちも同じもの。 注目して欲しいのは、スタセルの上下端に VDD/VSS が存在することである。 ここに何とかして外から電源をつなげる。

●row/rail

現在のスタセルを用いてのレイアウトでは、このスタセルを横一列に大量につなげる。





すると、隣同士のスタセルの VDD/VSS が横一列につながる。 VDD/VSS の列を rail を呼び、この rail にどこかからか電源を供給する。 つまり、この rail 上にスタセルを伸せてれば、スタセルへの電源供給が行える。 同じ rail 上に並んだスタセルを row と呼ぶ。

●double back方式

この row を、通常は double back 方式で置いていく。





double back 方式では、正逆正逆…と row を並べていくことで、 上下の row と rail を共有することで面積を抑えられる。

●strap

スタセルへと電源を供給するのは、横方向の細い rail であった。 より太い電源供給方法として、strap がある。 strap は縦横どちらの方向にも張れる(Geyser/SMA では通常縦方向のみ)。 また、存在しなくても大丈夫ではあるが、安定した電源系を作りたいならば 必ず入れよう。





上図の縦方向の赤線が strap で、strap と rail は交点で via によって接続される。

●ring

ring は、太い四角いメタル。 ring は外側では rail や strap から電源を供給され、内部の矩形領域への 電源供給元になる。 内部には、rail や strap によって電源を供給する。

ring は必須の要素ではないが、 などの目的で利用する。

●rail/strap への電源供給

マクロであれば、rail や strap はマクロ端まで伸びてそこに電源ポートを作り、 外部から電源供給を受ける。

チップであれば、rail や strap はチップ内部を囲む巨大な ring まで伸びる。 その ring は IO パッドから電源供給を受ける。