ISIS Homepage
ISISは並列計算機シミュレータの構築をサポートするライブラリです。
Copyright © 1995-2004 Amano Lab., Keio University.
並列計算機の開発には多大なコストがかかります。そのため、開発にあたっ
ては実装前段階で性能予測を行い、どの程度の性能が得られるかをなるべく
正しく予想することが重要となります。この性能予測手法として精度が良く
柔軟性が高いのが、ソフトウェアシミュレーションによる性能予測です。
並列計算機をソフトウェアシミュレーションによって評価する場合、その評
価対象に応じて様々なシミュレータを個別に実装するのが普通です。しかし
このようなシミュレータの多くは特定のアーキテクチャの並列計算機のみを
目的として開発するため、対象と異なる構成の並列計算機をシミュレートす
ることはできません。評価対象ごとにシミュレータを実装することは研究者
にとって大きな負担となります。
ISISは、並列計算機シミュレータの構築を支援するためのライブラリです。
ISISは、様々な並列計算機シミュレータに共通する機能ブロックを抽出し、
より汎用性を高めてライブラリ化したものです。ISISを使用してシミュレー
タを実装する場合、ライブラリで用意された機能ブロックをそのまま使用す
ることができるため、対象の並列計算機特有の機能のみを実装するだけで目
的のシミュレータを作成することができます。目的に合わせて必要な機能ブ
ロックを選択できるため、ISISはどのようなアーキテクチャにも対応でき、
また多くのシミュレーション方式をサポートしています。
ISISは、C++言語のクラスライブラリとして実装されています。計算機内部の
プロセッサやメモリなどのハードウェア機能ブロックが、ユニットと呼ばれ
るクラスとして実装されています。ユニットを結合させることによりターゲッ
トの計算機アーキテクチャを実現し、シミュレーションを行います。C++コン
パイラの動作するUNIXシステムであればISISを動作させることができます。
また、ISIS上で命令レベルシミュレーションを行う場合、シミュレータ上で
実行するアプリケーションの実行バイナリを生成するためのライブラリ
OSIRISが必要になります。OSIRISを動作させるためには、ターゲットアーキ
テクチャ用のクロスコンパイル環境が別途必要となります。
現在動作が確認されているISISおよびOSIRISの実行環境は以下の通りです。
- アーキテクチャおよびOS
- HPPA - HPUX-10.10
- PC/AT + FreeBSD-4.7
- PC/AT + Linux-2.2.20 (redhat-7.3)
- PC/AT + Solaris-2.8
- SPARC - Solaris-2.6, Solaris-2.7, Solaris-2.8
- SPARC + SunOS-4.1.4
- Origin + IRIX-6.5
- コンパイラ
- gcc-2.95.3
- gcc-3.2.x, gcc-3.3
- クロスコンパイル環境
- gcc: 2.95.3, 3.0.3, 3.0.4
- binutils: 2.11.2以降
ISISはGPL(GNU General Public License)に基づいて配布されています。GPL
に準拠する範囲で、ご自由にお使い下さい。GPLに関しては、
GNU General Public License
およびその日本語訳である
GNU General Public License日本語訳
をご覧下さい。
ISISは「安定版」と「開発版」の2つのブランチで開発されています。「安定
版」は安定して動作することが確認された機能のみを格納したパッケージ、
「開発版」は実装過程にある新機能まで格納したパッケージです。「テスト
版」は「開発版」のうち、また十分にテストされていないバージョンを試験
的にパッケージ化したものです。
現在「安定版」は積極的にはメンテナンスされていません。「開発版」を使
用することをお勧めします。
OSIRISには「安定版」「開発版」「テスト版」の区別はありません。最新の
ものをお使い下さい。
isis-1.1.1 online manual
ISIS開発版に付属のtexinfoファイルをhtml化したものです。
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