Contents
紹介
Visionチームでは、企業と共同で画像処理のハードウェア化と最適なアルゴリズムを追求しています。現在は、ITS分野に向けての画像処理アルゴリズムが主題となっております。
なぜ専用ハードウェアが必要なの?
画像処理はソフトウェアの分野で多くの研究がなされており、たくさんのアルゴリズムが作成されています。 単純なものだと、画像をぼかしたりするようなフィルタ処理があり、複雑なものだと画像の中から特定の顔や物を認識したりする処理などがあります。 このような処理は、デジカメのスマートシャッター機能や、防犯システムなどで使われたりしています。しかし、このような画像処理は、非常に計算量が多いのが難点です。 デジカメなどで一般的な縦1280×横960画素の画像では、1画素ごとに単純な処理をする場合でも 1,228,800回の処理を行わなければなりません。 これが複雑な処理となると、その計算量は膨大なものとなってしまいます。 CPUの処理速度向上がめざましいとはいえ、扱う画像のサイズがより大きくなってゆくことを考えると、 やはり大変な状況なのです。
加えて、最近話題のITS(高度交通システム)に用いたり、ロボットに内蔵したりすることを考えると、 今あるパソコンのような大きなものを詰め込むわけにはいきません。 そこで、画像処理用の専用ハードウェアが登場するわけです。
どうやって速くする?
普通、パソコンは1つのメモリセットと1つのCPUから成り立っています。 イメージすると、下図のような感じです。左上から右下へ順々に処理が進みます。(コアが複数入っているCPUもありますが、基本的には一つのコアでの処理です。)これに対して、画像処理用のハードウェアでは、下のような構成をとることをできます。 メモリをキャンバス、CPUを絵描きさんと考えると、多人数で分担して一つの絵を描くような感じです。 これが並列化と呼ばれる手法で、一人で全部を行うよりも処理が高速になります。 この並列化をどのようにハードウェアで実現するか?が、VisionTeamでの研究課題になります。