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4 リポジトリ

CVS のリポジトリ (repository) は、 バージョン管理の対象となる全てのファイルとディレクトリの、 完全なコピーを保管します。

通常、リポジトリ中のファイルを直接利用することはありません。 その代わり CVS コマンドを使用して、 作業者自身のファイルのコピーを取り出して、そのコピーに対して作業を行います。 そして一連の変更が完了したときに、 変更点をリポジトリに格納 (commit) します。 リポジトリは、変更を加えたものと同じになり、 また同時に変更点や、変更日時などの情報も正確に記録されます。

CVS は様々な方法でリポジトリを利用することができます。 リポジトリは、使用中のコンピュータ内であってもいいし、 別の部屋のコンピュータや、別の国のコンピュータであっても構いません。 リポジトリに接続する方法を区別するために、 リポジトリの名前の最初に接続経路 (access method) を加えます。 例えば :local: は、 リポジトリであるディレクトリを利用することを意味します。 つまり :local:/usr/local/cvsroot で表されるリポジトリは、 CVS を実行したコンピュータの `/usr/local/cvsroot' というリポジトリを意味します。 他の接続経路については 「4.6 別のマシンのリポジトリ」 参照。

接続経路の指定が省略され、リポジトリに `:' が含まれない場合には、 :local: が仮定されます。 `:' が含まれていた場合には、 :ext::server: が仮定されます。 例えばリポジトリ `/usr/local/cvsroot' が同じコンピュータ内にある場合、 :local:/usr/local/cvsroot を省略して /usr/local/cvsroot と記述しても構いません。 しかし (Windows NT などで)、 リポジトリが `c:\src\cvsroot' にある場合は、 :local:c:\src\cvsroot として、 接続経路を明示する必要があります。

リポジトリは二つの要素から構成されます。 `$CVSROOT/CVSROOT' には CVS の管理用ファイルが置かれます。 その他のディレクトリには、使用者が定義したモジュールの実体が置かれます。


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