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rcs
で使用可能なオプションのうち
CVS には不用なものがあります。
さらにその効果が続く限り、
CVS が使用できなくなるオプションさえあります。
以下の利用可能なオプションの説明は
`rcs(1)' のマニュアルに基づいていますが、
RCS よりも CVS に興味を持っている読者に合わせて
修正しています。
-Aoldfile
-
CVS では使用されません。oldfile の利用者一覧を、
指定した RCS ファイルの利用者一覧に追加します。
-alogins
-
CVS では使用されません。RCS ファイルの利用者一覧に、
logins で指定された利用者を追加します。
logins はカンマで区切った利用者の一覧です。
-b[rev]
-
RCS では、rev を既定の枝にする際にこのオプションを用います。
CVS では、貼り付いたタグ (「7.4 貼り付いたタグ」参照) を用いて
作業する枝を決めるほうが良いでしょう。
CVS では、ベンダー枝に関する挙動を決定する際に
このオプションが用いられます。
-cstring
-
CVS でも使用します。
註釈符を string にします。
註釈符は
$Log$
により生成される
全ての行の先頭に挿入されます (「16 キーワード置換」参照)。
複数行の註釈を許さないプログラミング言語にとって、
この機能は非常に有用です。
RCS は、ファイルが最初に格納されたときの拡張子から
註釈符の値を推定します。
-e[logins]
-
CVS では使用されません。logins に含まれる利用者を、
RCS ファイルの利用者一覧から削除します。
logins が省略された場合は、利用者一覧を全て削除します。
-I
-
標準入力が端末でない場合でも対話的に動作します。
-i
-
CVS では使用されません。
RCS では、このオプションを用いて、
新しい RCS ファイルを作成したり、
リビジョンを保存せずに初期化したりします。
-ksubst
-
CVS でも使用します。既定のキーワード置換モードを
subst にします。「16.4 置換モード」参照。
ここで既定とした方法よりも、
cvs update
, cvs export
, cvs checkout
での `-k' オプションが優先されます。
-l[rev]
-
リビジョン rev をロックします。
枝番号が与えられた場合、その枝の最新リビジョンをロックします。
rev が省略された場合は、
既定の枝の最新リビジョンをロックします。
CVS のソース配布物の中の `contrib' ディレクトリの中に、
`rcslock.pl' という名前のスクリプトがあります。
これを用いて上記のロック状態を、
CVS における独占取得 (一時に一人だけがファイル編集可能な状態)
に置き換えることができます。
詳細はスクリプトの註釈を参照して下さい
(寄贈物の支援と権利の放棄声明文が書かれたファイル `README'
も一読して下さい)。
その註釈によれば、厳格ロックモード (既定) に設定しておく必要があります。
-L
-
厳格にロックを求める設定 (厳格ロックモード) にします。
厳格ロックモードだと、RCS ファイルの所有者であっても、
ロックしていないファイルは格納できません。
CVS で使用する場合は、厳格ロックモードにする必要があります。
上記 `-l' オプションの説明も参照して下さい。
-mrev:msg
-
リビジョン rev のログ・メッセージを msg に替えます。
-Nname[:[rev]]
-
これ以前の name の設定を無効にすることを除けば、
`-n' と同じように働きます。
-nname[:[rev]]
-
枝またはリビジョン rev にタグ名 name を付けます。
通常は `cvs tag' か `cvs rtag' を代わりに用いると良いでしょう。
`:' と rev の両方を省略すると、タグ名が削除されます。
また name が既に使用されていた場合は、
エラー・メッセージが出力されます。
rev がタグ名のときは、相当する番号に置換されます。
枝番号の後に `.' を付けて rev に指定した場合、
その枝の現時点での最新リビジョンになります。
`:' だけで rev を指定しなかった場合、
既定の枝 (通常は幹) の現時点での最新リビジョンになります。
例えば `rcs -nname: RCS/*' は、
指定された全ての RCS ファイルの、
現時点での最新リビジョンに name というタグ名を付けます。
一方 `rcs -nname:$ RCS/*' では、
各作業ファイルのキーワード文字列に含まれる
リビジョンに name というタグ名を付けます。
-orange
-
CVS でも使用可能ですが、危険を伴ないます (下記参照)。
range に指定したリビジョンを削除します。
特定のリビジョンを指定した場合、そのリビジョンを削除します。
枝番号を指定した場合、その枝の最新リビジョンを削除します。
`rev1:rev2' では、
同じ枝の rev1 から rev2 迄の全リビジョンを削除します。
`:rev' は、同じ枝の開始から rev までのリビジョン全てを、
`rev:' は、同じ枝の rev 以降のリビジョン全てを削除します。
削除するリビジョンに枝やロックがあってはいけません。
rev に枝を指定する場合、CVS では特殊な方法で枝を扱うため、
枝のタグ名を指定してはいけません。
この理由については 「D.1 魔法の枝番号」 を参照して下さい。
削除する前に、誰もそのリビジョンの作業コピーを
持っていないことを確認する必要があります。
削除後に、そのリビジョンの作業コピーを編集したり
格納したりしようとすると何か異常な事態が発生します。
このため、誤って格納したリビジョンを取り消すのに、
このオプションを用いるのはあまり良い方法とは思えません。
やはり、誤って変更した箇所を元に戻して、
再度格納することを強く勧めます (「8.3 二つのリビジョン間の差分をマージする」参照)。
-q
-
簡素な (quiet) 表示、つまり実行時に診断情報を表示しません。
-sstate[:rev]
-
CVS でも使用します。
リビジョン rev の状態を識別する文字列を state にします。
rev が枝番号の場合、その枝の最新リビジョンの状態を変更します。
rev を省略すると、既定の枝の最新リビジョンを変更します。
state には、どのような文字列を用いても構いません。
通常使用されるのは、`Exp' (実験段階), `Stab' (安定動作),
`Rel' (出荷済) といった組み合わせです。
既定では、新しく作成されたリビジョンの状態は `Exp' にされます。
各リビジョンの状態は、`cvs log' (「A.12 log---ファイルのログ情報を表示」参照) の出力や、
キーワード `$Log$', `$State$'
(「16 キーワード置換」参照) の内容で確認できます。
ここで、CVS が
dead
という状態を
独自の目的で用いることに注意して下さい。
dead
状態を扱う際には、cvs remove
や cvs add
といったコマンドを使用し、
`cvs admin -s' を使用してはいけません。
-t[file]
-
CVS でも使用します。
RCS ファイルの説明文を file の内容に書き換えます。
file のパス名は `-' で始まってはいけません。
file が省略された場合、標準入力が用いられ、
ファイル終端 (EOF) もしくは `.' のみの行で終了します。
対話が可能な場合はプロンプトが出ます (`-I' 参照)。
各ファイルの説明文は `cvs log' (「A.12 log---ファイルのログ情報を表示」参照) の出力で確認できます。
-t-string
-
`-tfile' と同様です。
RCS ファイルの説明文を string に書き換えます。
-U
-
厳格にはロックしない設定 (非厳格ロックモード) にします。
非厳格ロックモードだと、RCS ファイルの所有者ならば、
ロックしていないファイルも格納できます。
CVS で使用する場合は、厳格ロックモードにする必要があります。
上記 `-l' オプションの説明も参照して下さい。
-u[rev]
-
このオプションを CVS で使用する際の説明は、
上記 `-l' オプションを参照して下さい。
リビジョン rev のロックを解除します。
枝を指定した場合、その枝の最新リビジョンのロックを解除します。
rev を省略すると、その人物が行なった最後のロックを解除します。
通常は、ロックを掛けた人物だけがロックを解除できます。
誰か他の人物がロックを解除した場合には、
ロックを掛けた人物にメールが送信されます。
このメールにはロックを解除した理由等が書き添えられます。
連絡文はロックを解除した人物が入力し、
ファイル終端 (EOF) もしくは `.' のみの行で終了します。
-Vn
-
バージョン n の RCS の動作を模倣します。
`-Vn' を用いて、
バージョン n の RCS が理解できない情報を廃棄し、
バージョン n で認識できるように RCS ファイルを変換します。
-xsuffixes
-
CVS では使用されません。
suffixes に RCS ファイルの拡張子を指定します。
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