新人教育
天野研では,たとえ 3年生が入ってきた時点で計算機について何も知らない状態でも何の問題もない様な教育体制を取っております. だから,研究室を選ぶ際には,「自分は計算機を良く知っているかどうか」ということはあまり重要ではなく,「自分は計算機が好きかどうか」ということがむしろ重要だと言えます. 大学に入って始めて計算機に触れた人や,天野研に入るまで自分のパソコンを持ってなかった人は本当にごろごろいます.
3月上旬〜下旬
基礎教育
3月に入ると 3年生のための新人教育がスタートします.最初は,これからの研究活動のための基本的な教育(UNIXの使い方,C言語,ハードウェア,OS,etc)です. 基礎教育は安西・山崎研と合同です.基本的には,教育には課題が付きまとってきます.頭ではわかったら,とにかく実践で鍛えるという方針なのです.
3月下旬〜4月上旬
CCS輪講
並列計算に関する理論的な教育として,「協調計算システム」という本を輪講形式でみんなで読んでいきます.
4月中旬〜
コンピュータアークテクチャ特論
天野先生が直々に並列計算機について教えてくれます.大学院に設置された科目で単位付きです. 並列計算機の基本的なアーキテクチャに加えて,天野研にあるマシンや現在研究中のマシンについての講義もしてくれます.
SoC設計論
企業の第一線で活躍している方々がいらして,SoC(System on Chip)技術に関わる講義をしてくれます.大学院の授業なので当然単位がもらえます.
VLSI設計論
これは, 4年生の科目で山崎先生の授業です.勿論,単位付きです.主にVerilog-HDLを用いた回路設計について学びます.Verilog-HDLというのはハードウェア記述言語の一種で要するにSFLの仲間です.
アーキテクチャ輪講
この輪講で 4年生は論文(英語)の読み方を実習することになります.配られた論文リストの中から自分の興味のある論文を選んで,その論文について輪講形式で発表していきます. しかし,いきなり一人でやるのは厳しいので,担当の先輩が一人一人について指導してくれるので,ご安心を...
なんか,忙しそうに見えますが大したことはありません.楽です,はっきり言って. 4年生のグループ配属が決まるのは,大体アーキテクチャ輪講割当の時期前後です. この時に決まったグループで卒論,はたまた修論と進んでいく可能性が高いので,良く考えて決めましょう.
5月から 8月中旬まで
出された課題のクリアおよびアーキテクチャ輪講を終えると,もう 4年生は大体一人前になっています.ここまでで, 5月半ば〜終わりぐらい. これが終わったら, 7月にある情報工学輪講( 4年生の必修科目で,先生方の前で発表を行います)の準備のためにまた論文を読みはじめます. 今度はアーキテクチャ輪講のような簡単な論文ではなく,もっと読んで役に立つような難しい論文が割り当てられます.また,各グループでの活動にも参加し始め,関連する知識の習得に努めます.
8月下旬〜
SoC設計実装
春学期で学んだ内容に基づき,設計実装を体験します。
マイクロプロセッサ特論
山崎先生によるCPUの授業です.Pentium 4とか,Emotion EngineとかGeckoとかを例として最新のCPUの話をしてくれます.これも大学院の授業なので単位がもらえます. そんなこんなで,天野研の学生は学部にいる間に,大学院でとらなければならない10の授業のほぼ半分をクリアしてしまうわけです.
夏が過ぎると4年生は本格的に卒論に向けた研究に取り掛かります.この時期になると,人によっては天野先生に学会をスケジュールされ,そそくさと準備を始めます.