研究体制
研究体制について
基本的に研究はふんがさんを筆頭に構成されるグループ単位で行なっています。 ただ、グループにとらわれる必要はありません。いくつかのグループに所属している人もいますし、 自分でグループを立ち上げることも出来ます。 グループはたくさんありますが, 各グループ1〜5人ぐらいで構成されています. だいたい希望のグループに所属することができます. 4年生には,忙しいグループなら5月ぐらいから,遅くとも9月ぐらいからグループ内での研究テーマが割り当てられます.
研究して評価が取れると,必ずといっていいほどその担当の学生は学会で発表します. それは,日本の学会であったり,世界的に通用すると思われる場合は国際学会であったりします(もちろん,旅費は研究室からでます.もうウッキウキです) 「ブラボー!」と観客総立ちの発表を一度はやってみたいものです.
現存するグループ
BIO
バイオ関連分野では、計算機シミュレーションによる研究が盛んになりつつありますが、細胞を1秒間シミュレーションするのに何日もかかるなど、求められる演算能力をハードウェアが提供できていないのが現状です。 したがって、生物シミュレーションに適した新しい型 の計算機の開発が急務となっています。また同時に、シミュレーション に必要な実験や測定を半自動的に行うための信号処理系の能力も向上していく必要があります。
BIOグループは、シミュレーション系と信号処理系の双方に分かれて研究を進めています。
PDARCH
近年のパソコン(PC)やワークステーション(WS)は、急激に性能が向上しています。しかしながら、オフィスに数十・数百台設置されているPCやWSが、その高い処理能力を最大限に発揮することが殆んどありません。
こうした計算資源の余剰を無駄なく使い、有効活用するため、多数のPCやWSを高速なネットワークで接続し、並列に処理を行なわせるというクラスタ・コンピューティングをPDARCHグループでは研究しています。
SNAIL
スイッチ結合型並列計算機に関する研究を行っています。スイッチ結合型並列計算機とは、多段結合網 (Multistage Interconnection Network (MIN) ) というネットワークを プロセッサ−メモリ間や各プロセッサノード間の相互結合網として用いている並列計算機で、バス型のものより規模の大きな中規模なシステムを目的としています。
また、2002年から新たなアーキテクチャの研究を本格的にはじめました。近年、オンチップマルチプロセッサが有望視されていますが、将来、プロセッサの性能が向上し、 さらにチップ上に搭載できるプロセッサ数が増加すると、単位時間に発行される要求やデータの数が増えることになります。 そうなると、典型的な接続網として用いられているバスやクロスバでは、それらを円滑に処理することができなくなると予想されます。 そこで、現在は、オンチップマルチプロセッサ上の増加した要求やデータを円滑に処理することができるような接続網を検討しています。
WASMII
書き換え可能なハードウェアである Reconfigurable System の研究を行っています。
ハードウェアの高速性を持ちながら、書き換えが可能であるというソフトウェアのような柔軟性を持った性質は、ハードウェアの開発工程に変革をもたらしています。 ハードウェアに不具合があっても、リコールで回収するというのではなく、インターネット経由でハードウェアを修正する、ということも夢ではありません。
非同期
既存のデジタル回路はクロックに同期して動作を行いますが、非同期グループではクロックに同期しない回路の研究を行っています。
非同期型回路は、電磁波をほとんど出さない、ノイズに強い、低電力、といった様々な利点を持っています。非同期グループでは、この同期型にはない優れた特徴を生かした回路を研究しています。
解析
解析グループは名前の通り、様々なシステムの提案、性能解析を行っています。
現在は並列分散処理についての研究を行っています。プロセッサ-メモリ間もしくはクラスタ間をつなぐ相互結合網やそのルーティングアルゴリズムの提案、評価を行っています。
最近の傾向
ドクター増員
来年度のふんが研の博士課程は7人となることが予定されています。これは研究を進める上で大変心強いことです。こんな恵まれた比率、ちょっとありませんよ。
バイオ
生物関係の研究が大流行です。VISIONが視覚装置、Bioのメンバが細胞シミュレータ用ハードウエア、細胞の顕微鏡写真処理用ハードウエアといった課題に取り組んでいます。バイオはふんが研の新しい動きです。
総ヤマ師化現象
そんなこんなで、ふんが研では現在そこかしこで新しい動きが始まっています。例えば非同期は技術そのものが先進的であるため、当然そのテーマも新規性が高いものになります。 解析グループもアイデア勝負な性格上、ある意味ギャンブルでしょう。大学の研究というのは本来投機的であるべきで、その点ふんが研の姿は健全なのではないでしょうか。