管理用ファイルを記述するときに、CVS の動作環境についての 色々な情報を利用したい場合があると思います。 ここでは、その実現方法を幾つか紹介します。
CVS を実行した人物のホーム・ディレクトリを
(環境変数 HOME
から) 参照するには、
`/' または行端の直前に `~' を記述します。
同様に user のホーム・ディレクトリは、
`~user' と記述します。
これらの変数はサーバ側で展開されるため、pserver
(「4.6.2 パスワード認証による直接接続」参照) を用いる場合には正しく展開されません。
この場合、CVS を実行する人物が動作を変更できるように、
ユーザ変数 (下記参照) を用いると良いでしょう。
CVS 内部の情報を参照したい場合もあると思います。
CVS の内部変数は ${variable}
という書式で参照できます。
この variable は文字で始まり、
アルファベットと `_' から構成されます。
variable に続く文字がアルファベットや `_' でない場合は、
`{' と `}' とを省略しても構いません。
参照可能な CVS の内部変数には次のようなものがあります:
CVSROOT
RCSBIN
CVSEDITOR
VISUAL
EDITOR
USER
ユーザ変数を用いれば、CVS を実行する人物が、
管理用ファイルで用いる値を自由に設定できます。
ユーザ変数は、管理用ファイルに ${=variable}
と記述します。
ユーザ変数の設定は、CVS の広域オプション `-s' に、
引数 variable=value
を続けます。
このオプションは `.cvsrc' に記述しておくと良いでしょう
(「A.2 ~/.cvsrc ファイルの設定」参照)。
例として、実験用ディレクトリを管理用ファイルから参照するため、
ユーザ変数 TESTDIR
を用います。
`cvs -s TESTDIR=/work/local/tests' として CVS を実行し、
管理用ファイルに `sh ${=TESTDIR}/runtests' と記述した場合、
その文字列は `sh /work/local/tests/runtests' に展開されます。
`$' が上記以外の解釈を受けることはありません。 また `$' 自身を表現する別の方法も用意されてないため、 `$' という文字を引用することはできません。